ホーム > 美と健康 基礎知識 > 子宮頸癌の予防
米国では2年前に米国食品医薬品局(FDA)により子宮頸癌のワクチンが認可され、10代、20代の少女や女性への接種が始まっています。癌がワクチンで予防できると聞くと、ちょっと不思議な感じがします。なぜ子宮頸癌予防にワクチンが有効なのでしょうか。
子宮癌には子宮頸癌と子宮体癌があり、8割が子宮頸癌といわれています。子宮頸癌は、その多くが扁平上皮癌で、ほとんどの扁平上皮癌はヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で生じます。実際、子宮頸癌患者の90%以上でHPVが陽性となります。HPV感染しているということは、子宮頸癌の最大の危険因子(リスクファクター)なのです。言い換えると、HPVに感染しなければ、多くの子宮頸癌が予防できることになります。
米国では11、12歳の少女への接種が推進されています。そんな子供にと驚くかもしれませんが、HPV感染は性行為を通じて感染する「性行為感染症(STD)」であり、感染を防ぐには性行為を行う年齢に達する前のワクチン接種が効果的なのです。まだ接種を受けていない13~26歳の女性への接種も推奨されています。日本では20代の子宮頸癌患者が増加していますが、これは初めて性交する年齢が低くなってきていることが関係していると考えられています。
ただしこのワクチンがすべてのHPV感染を予防するわけではありません。HPVには100種類以上の型がありますが、このワクチンは子宮頸癌の 70%の原因とされるハイリスク型である16型、18型のほか、尖圭(せんけい)コンジローマ(性器に良性のいぼを生じる疾患。男女ともに生じる)の原因となる6型、11型への感染のみを予防するものです。米国での接種開始から2年が経過した今年10月、米国疾病管理予防センター(CDC)が過去37万回の接種を調べた結果、重篤な副作用などがないことが確認されました。
このワクチンは日本ではまだ承認されていませんが、HPVに感染しているかどうかを調べることはできます。もし陽性でもパニックになる必要はありません。性交経験者の50~80%は生涯で一度はHPVに感染するといいます。多くの場合、ウイルスは体の免疫機構で自然に排除されます。約10%で HPV感染が継続し、その場合のごく一部の人で子宮頸癌が発症する可能性があります。
米国の研究では、HPVに感染している女性は日常的なストレスが多いと、子宮頸癌となるリスクが高まるという報告もあります。ほとんどの場合でウイルスは自然に除去されるということを忘れず、ストレスの少ない生活を心がけましょう。
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